「六花ちゃん!!」
「……由弦くん」
聞き覚えのある声に振り向けば、ユニフォーム姿の由弦くんがこっちに向かって走ってきていて、その場で立ち止まって来るのを待った。
「久しぶりだね」
「そうだね。会うのは」
「確かに。毎日連絡取ってるもんね」
アハハと笑う由弦くんにほっこりして、頬がほころぶ。
そう。
由弦くんと会うのは久しぶりだけど、連絡は毎日のように取ってたりする。
誕生日プレゼントを買った先週の土曜日。
突然帰った私を心配してくれた由弦くんは次の日連絡をくれた。
その時、全部報告したんだ。
帰ったら家の前に佐久間がいたこと。
なんで佐久間があの場所にいたのかっていうこと。
説明する流れで誕生日プレゼントを渡したこと。
全部話した。
すると、由弦くんは「良かったね」と自分のことのように喜んでくれて。
「あとは告白するだけだね」とからかわれた。
それなのに、まさか数日後に由弦くんから例の佐久間のことを聞くなんて、思ってもいなかった。


