恋する君の可愛いつよがり。



「ど?似合う?」


「に、似合ってんじゃない?」



佐久間に似合うと思って選んだえんじ色のリストバンド。


まさかこんなに早くつけている所を見れるなんて思ってもいなかった。




「ってか、なんで?」



な、なんでって……。


分かんないの?


不思議そうにしてるところを見ると、どうやら本当に分からないらしい。



仕方ない。もう渡しちゃったんだから言うしかないよね。




「来週、佐久間誕生日なんでしょ?」


「誕生日?」


「……え、まさか忘れてたの?」



きょとんとする佐久間にずっこけそうになった。



うそでしょ。本人が忘れてるってことある!?




「……あー、そう言えばそうだったわ。忘れてた」


「……はぁ……」



あんなに必死になって探したのに……。