恋する君の可愛いつよがり。



「…………は?」


「だーかーら!佐久間のだってば!!」



半ばヤケクソでテーブルの上に置いてあった紙袋を佐久間に手渡すと、佐久間は意味が分かってないのか、紙袋と私を交互に見てきた。



まさか、買ってすぐに渡すなんて思ってもいなかった私は、佐久間の顔が見れずに俯いて黙り込む。




最悪だ。


こんなヤケクソな渡し方じゃなく、好きだって言ってから渡すって決めてたのに。



もう、ほんとにありえない。



でも、今渡さないと由弦くんとお揃いだって思われてたんだもん。


それだけは嫌だ。





「……これ、俺の?」


「だから、そうだってば!」



もう、馬鹿。なんでもっと可愛く言えないの?


ほんと、素直じゃない自分が嫌になる。




「開けていい?」



そう聞かれた時にはもうすでに開けていて。



リストバンドを取り出した佐久間はそれを手首に通しながらヘヘッと嬉しそうに笑った。


その照れくさそうな笑顔にキュンと胸が高鳴る。