恋する君の可愛いつよがり。



「はぁ……ほんと馬鹿だなお前。お前らをつけてたって言ってんだよ」


「え、私たちをつけてた?」




って、尾行してたってこと?



うそ………。




「……なんだよ」


「いや、」



どこから突っ込んだらいいのか良く分からなくて、ふて腐れてる佐久間をジッと見つめる。



さっきはあんなにも佐久間の目が見れなかったのに、私って現金なやつだ。






……ねぇ、佐久間。



なんで尾行なんてしたの?


自主練するって言ってたのになんで?



そんなことされたら馬鹿な私は期待してしまうじゃない。



佐久間が私と由弦くんのデートを気にしてくれてたって。



ねぇ、そう思ってもいいの?










「──浮気は許さねぇって言っただろうが」









「……っ、さく、ま……?」



おしおきと言わんばかりに頬っぺたを引っ張られて。


痛い、と訴えれば、代わりにデコピンされた。



どっちにしても痛いことには変わりはないんだけど、佐久間があまりにもふて腐れた顔をしているから毒気が抜けてしまう。



別に好きだと言われたわけじゃないのに喜びすぎだと思うけど。



でも、それでも尾行するまで気になってくれてることが嬉しい。