恋する君の可愛いつよがり。



再び向かい合わせになる私たち。


けど、視線は合わない。



佐久間と目なんか合わせられないよ!



「相原、こっち向け」



でも、それを許してくれないのが佐久間だ。




「……無理」


「いいから」


「無理!!」


「オイ、無理ってなんだよ!」


「無理なもんは無理なの!!」



無理矢理向かせようとする佐久間と、意地でも向こうとしない私。



「テメェ、澤本は良くて俺はダメってどういうことだよ!」



何度何度も押し問答を繰り返し、最後はあっけなく終了。



「え?由弦くん?」



“澤本”という名前にピタリと抵抗が止まる。



なんで由弦くんが出てくるの?



「佐久間?」



今度は佐久間が私の目を見なくなって、ツンッとそっぽを向いてしまった。