恋する君の可愛いつよがり。


教官室に入ると、なぜか呼び出したはずの先生がいなかった。


職員室でも行ったのかな?と思いながら資料を探していると、突然引っぱられた腕。


気づけば背中が壁に触れていて、両腕は佐久間の手によって拘束されていた。



「ちょ、離してよ!」



どれだけもがいてもビクともせず、必死になって逃げようとしている私を見て楽しそうに笑みを浮かべている佐久間。



「なに?ガラにもなくテレてんの?」



今にも震え出しそうな身体をなんとかごまかそうと虚勢を張るけど、当然佐久間には通用しない。


まるで私の心を見透かしているかのようなその余裕の表情に、私のあまのじゃくな部分があらわになっていく。