「あの、佐久間、」
「ん?」
いや、ん?じゃないですから!
本気でうちに泊まるつもりなの!?
そんなの無理!
「泊まるなんて無理!帰ってよ!」
「いや」
「嫌じゃないから!」
「相原のせいで雨に打たれたんだよなー」
「ヴッ」
「外、さっきより大雨だし。また濡れるかも」
「………」
「あーあ、来週大事な試合あるのに風邪引いたらどうしよー」
チラッと窓の方を見て、これみよがしにため息を吐き出す佐久間。
耳を澄ませば、確かにさっきより雨音が大きくなっていて。
……マジですか。
佐久間の言うとおり、こんな大雨に追い出したりしたら風邪引いちゃうかもしれない。
でもでも、家で佐久間と二人っきりだなんてそんなの……。
「俺んち、ここから結構遠いんだよなー」
「………」
「はい、決定ー」
「……うわっ」
ちょ、ウソでしょ!?


