恋する君の可愛いつよがり。




「佐久間、着替えここに置いておくから着て」



持ってきた着替えを籠の中に置き、早々と脱衣所を出てリビングへと逃げる。




「はぁ……」



馬鹿だ、私。


なんで家の中に入れちゃったんだろう。


いくら雨に濡れてたからって……。



ううん。これで良かったんだ。だって、もうすぐ大事な試合があるから。


今風邪引いたら試合に出れなくなってしまう。


だから、これで良かったんだ。




そう思ってはいるけれど、これからどうしたらいいのか分からなくて。


とりあえず温かい飲み物と思ってコーヒーを淹れるけど、待っている間もソワソワして落ち着かない。



自分の家だからどこへも行けないし。



あぁ、もうどうしたらいいんだろう。




そう思った時、



「相原、風呂と着替えサンキュ」



佐久間がバスタオルで髪の毛を拭きながらリビングへと入ってきた。