恋する君の可愛いつよがり。


なんで、まだいるの……?


あれから三十分は経ってるのに。



「……っ、ばか……っ」


会いたくないはずなのにいてもたってもいられなくなって、バタバタと階段を駆け下りる。



ドアを開けた瞬間目に飛び込んできたのは、佐久間のずぶ濡れの姿。



「相原」


「……っ、さく」



ホッと安堵の表情を見せる佐久間にさっきとは違う感情がこみ上げてくる。




「なに、やってるの……?」



なんで帰らないの?

雨降ってるんだよ?


風邪引いちゃうじゃない。



「来て」


「あいは──」


「いいから来て!」



傘もささないまま飛び出し、佐久間の手を取って家の中に連れ込む。


そのままお風呂場に直行して、「シャワー浴びて」とすぐそばにあったバスタオルを無理矢理押しつけた。



返事も聞かずに脱衣所から出て、着替えを取りに二階へと向かう。