恋する君の可愛いつよがり。


「あと、由弦が明後日どうする?って聞いてたよ」


「明後日……」



由弦くんとのデートの日。


ううん、由弦くんはデートとか言ってたけど、本当は佐久間への誕生日プレゼントを一緒に買いに行こうとしてくれてるだけ。



デートなんてそんな甘いものじゃない。



でも、佐久間と高崎さんのはちゃんとしたデートなんだ。






「さっくんに誕生日プレゼントあげないの?」


「………」



佐久間に……誕生日プレゼント。



佐久間は私が誕生日プレゼントをあげたらどう思うだろう。



喜んでくれる?


それとも偽りの彼女のくせにって思われる?



どっちなんだろう。


わからない。


佐久間がなに考えてるのか全然わからない。



……でも。



「あげたい……」



これがキッカケになればいいと思ってる。



佐久間に誕生日プレゼントを渡して、自分の気持ちを伝える。



佐久間のことが好きって。


偽りの彼女じゃなくて本物の彼女になりたいって、そう伝える。




「そっか。じゃあ由弦にそう言っとく」



がんばれ、六花。


そう言った先輩は私の頭をポンポンと優しく撫でてくれた。