「いいわけねぇだろ!これは──」
「ねぇ瞬くん、さっきからなんの話してるの?」
「……っ、だからちょっと離れ──」
「由弦くん!デートしよう!」
「えっ、ちょ、六花ちゃ──」
すぐ真後ろで高崎さんが佐久間に抱き着いてるのかと思うとどうしようもなくイラついて。
あたふたしている由弦くんの腕を引いて歩き出した。
「オイ!相原待てよ!」
「え、あの人由弦先輩の彼女?あ、ねぇ瞬くん、あたしたちもデートしよう?」
……っ、佐久間と高崎さんがデート?
そんなの……。
「六花ちゃん、」
「いいの!もういい!」
由弦くんの言葉を遮って、歩くスピードを速める。
その後はほんと散々だった。
佐久間に付きまとってる高崎さんのおかげでコンディションは最悪で、試合が始まって5分で交代させられてしまった。
当然そんな状態で佐久間と会話出来るはずもなく。
一方的に避け続け、テンションダダ下がりのまま帰路についた。