「わー、六花、真っ赤ー」
「そ、そりゃ赤くなりますよ!」
吐息がふれた耳を押さえながら、片方の手でパタパタと顔をあおぐ。
もう!由弦くんって自分の破壊力わかってないよね!
そんなイケメンなお顔が近づいてきたら誰でも赤くなるから!
「ねぇ六花ちゃん、近々空いてる日ある?」
「空いてる日?」
って、一緒に誕生日プレゼント買いに行くこと決定なの!?
「土曜日の練習午前だけだけど、そっちは?」
「えーと、たしかうちも土曜日午前中だけだったと思う」
「じゃあその日で決まりね!」
いやいやいや。私抜きで話し進めないで下さいよ。
私にも予定ってものがあるんだから。
って、土曜日はとくに予定入ってないけど。
「なに勝手に決めてんの?てか、澤本とデートとかしねぇから」
「えっ!?さ、佐久間!?」
勝手に話を進める二人を止めようとした時、突然頭上から降って湧いた声。
それは聞かれたら一番マズイ人、佐久間の声だった。


