「え!?」
佐久間に誕生日プレゼント?
「そ、そんなの……!」
あげられる訳ないよ!
だって私佐久間の彼女でも……って、あ。
「何言ってんの?六花、さっくんの彼女じゃない」
そうだ。私、今佐久間の彼女だった。
偽りの、だけど。
「でも、私、本当の彼女じゃないですし……。それに、その時にはもう……」
偽りの彼女でもなんでもない。
だって、先輩たちから命じられたのは一週間だけだから。
佐久間の誕生日にはもう彼女じゃない。
「ねぇ、六花ちゃん、俺とデートしない?」
「………へ?」
なに?いきなり。
この流れでなんでデート?
いつもと同じ爽やかな笑顔だけど、今の由弦くんは何か企んでそうな笑顔をしている。
なんだか嫌な予感……。
「由弦くん、なに言ってるの?」
「んー、六花ちゃんとデートしたいなと思って」
「で、デートって……」
「しっ」
──佐久間の誕生日プレゼント、一緒に買いに行こう?
「ゆ、由弦くん……!」
耳元でささやかれて、すぐに由弦くんから距離を取った。


