恋する君の可愛いつよがり。


その後は試合が始まるまでななちゃん先輩の説教が始まり、なぜか私まで怒られるハメに。


男と女のかけ引きにまで発展したななちゃん先輩の話を聞いていると、ふと会話が止まった。


かと思ったら、練習中の佐久間を見てニタリと笑うななちゃん先輩。



うわー。先輩のこの顔、絶対いいことじゃない。



「そう言えばさー、来月佐久間の誕生日じゃない?」


「……え?」


「え?」


「誕生……日?」


「え、六花知らなかったの?」



「ホントに?」と目を真ん丸にして驚くななちゃん先輩に呆然とする私。



来月佐久間の誕生日だったなんて、そんなの全然知らなかった……。



「なな、佐久間の誕生日いつなの?」


「え?あー……えっと、来月の十日」


「てことは、二週間もないんだ」



二週間もない……。


ふむ、となにやら考え込んでいる由弦くん。



そんな由弦くんをボーッと見つめていると、



「六花、なにもあげないの?」



ななちゃん先輩が突然そんなことを言い出した。