恋する君の可愛いつよがり。



容赦なく問い詰めてくる佐久間に、言葉が詰まった。



だって、なんて答えたらいいのか分からなかったから。


佐久間は多分、私と由弦くんの会話を聞いていたのだと思う。


私が“好き”と言ったあの言葉を。



そして、誤解した。


“佐久間”の名前を出さなかったから、佐久間は由弦くんに向けて言ったのだと勘違いしたんだ。


でも、だからと言って否定出来るわけがない。


だって、否定すると“じゃあ誰のことだよ”って聞きにくるだろうし。


そうなった時、私はなんて答えたらいいのか分からないから。