「ごめんね、由弦くん。私のこと想って言ってくれてるのに。本当にごめん」
「……ううん。俺の方こそごめんね。急だったよね」
由弦くんの優しい声色がじんわりと心にしみていく。
……由弦くん、ありがとう。
今はまだ言えないけど、いつか好きって言えたらいいなって思ってるから。
「心の準備が出来たら言うね」
「うん。そうだね」
私の決意の言葉に、由弦くんはにっこりとおだやかにほほえんでくれた。
こういうのってなんだか恥ずかしいな。
今までハッキリと“好き”って口に出したことないから余計にそう思う。
ましてや由弦くん、女の子じゃなくて男の子だし。
でも、不思議と由弦くんにはなんでも言えるんだよね。
温厚で優しい人柄のせいかな？
「ゆづ……」
「どういうことだよ」
