恋する君の可愛いつよがり。



「よし。とりあえずこれは取っちゃおうか」


「ぅわっ」



急に被っていた布を取られ、とたんに鮮明になった視界。



「ハイ、どーぞ」


「あ、どうも」


「いやいや、そうじゃなくて」


「え?」



布を受け取れってことじゃないの?


布を手渡されたから、てっきり受け取れってことかと思ったんだけど、どうやらそれは違うらしい。



「練習だよ。練習。大きな声で“好き”って言ってみて」


「えっ!?」



練習!?ホントにするの!?



「由弦くん、無理だってば!」



今の関係で告白するとか無謀に決まってる!



「大丈夫だって」



だからなんでそんなに余裕でいられるの?


私と佐久間の今の状況、由弦くん知ってるのに!



「六花ちゃん、佐久間のこと好きじゃないの?」


「……っ」