恋する君の可愛いつよがり。


「……昨日の夜?海辺?」


「そ、そうなの!昨日、一人で海行った時偶然会ったの!聖南のバスケ部だって分かったら意気投合しちゃってさ!」


「………」


「佐久間の方こそ知り合いなんでしょ!?ビックリしたんだから!ライバルがいたんなら教えて──」


「相原」


「……えっ?あ、はい、」


「それって、俺んとこ来る前?」


「えっ!?」



佐久間の問いかけにドキッと心臓が飛び跳ねた。


饒舌だった口がピタリと止まり、その代わりにボッと顔に熱が集まる。



“俺んとこ来る前?”って……。



脳裏に浮かんだのは、昨日の体育館での出来事。


佐久間と仲直り出来た、“あの時”のこと。



「……そ、そうだよ。由弦くんがいたから佐久間のとこへ───って、あ、」



しまった、と慌てて口を噤んだけれどすでに遅く。



「澤本がいたから?」



どうやらバッチリと聞かれてしまっていたらしい。