恋する君の可愛いつよがり。



真剣な、というよりも怒りをにじませたその表情に言葉が喉奥でグッと詰まる。



「……き、のう?」


「昨日?」



正直に答えたにも関わらず眉間に思いっきり皺を寄せる佐久間。


その表情は明らかに怒っている。



「えっと、その……」



怒っている原因が何なのかさっぱり分からない私は、しどろもどろになりながら次の言葉を必死に探した。


けど、頭の中がパニクって、何を言ったらいいのか全く分からない。


そんな私を見かねたのか、由弦くんが助け舟を出してくれた。



「昨日の夜、たまたま海辺で会ったんだよ。その時に意気投合してね、仲良くなったんだ」



ゆ、由弦さま~!ありがとう!


もうホント、何言ったらいいのか全く分からなかったから助かった!