恋する君の可愛いつよがり。



「知り合い……っていうか、友達かな」



ね?六花ちゃん、と可愛く同意を求める由弦くんは私の感情なんて全て見透かしていそうで。


なんかもう、目を合わせていられなかった。


佐久間に抱き締められているのは凄く嬉しいんだけど、佐久間への気持ちを知られてるせいか今はこの体勢でいることが恥ずかしくて恥ずかしくて。


だから。



「さ、佐久間、とりあえず離して!この体勢キツイ!」



お願いだから離して、と佐久間に懇願した。


すると。



「……チッ」



なぜか舌打ちをした佐久間。



……意味が分からないんですけど。



体を起こしながらそう悪態をつくも、心の底ではちょっと残念と思っている自分がいて。


誰も人がいない時にしてくれないかな、なんてバカなことを思ったりもした。



それがいけなかったのだろうか。



「な──」



突然、背後から奪い取られた紅茶の缶。


犯人はまちがいなく佐久間で。


何すんの?と文句を言ってやろうと思って振り返れば、声を出すよりも先に腕を引かれた。



「いつ」


「へ?」


「いつ知り合った」