……野々宮、容赦ねーな。 俺らが歩く歩道は、あまり広いとは言えない道幅。 大輝と野々宮のふたりが前を歩くと自然と、俺と水沢さんが隣を歩くことになる。 「……ねえ、日向くん」 ふいに水沢さんが口を開いた。 水沢さんとふたりきりで話すことは初めてで、少しだけビクッと肩を上げてしまった。 「ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いい?」 「……ああ」 丁寧なことにわざわざ前置きまで言ってくれた水沢さん。 ……聞かれることは、大方予想がつくけどな。 「日向くんって晴のこと好き?」