大輝は一瞬眉を寄せたあと、仕方なさそうに口を開いた。 「……俺の30番と交換してもらったんだよ」 お手上げ、とでも言うように両手を上げた大輝。 やっぱり大輝が仕組んだんだな。 「……つか、市原さんの席と交換しなかったら大輝が隣だったってこと?」 「まあ、そうなるな」 「へえー……だったら、それよりかマシだな」 「なに言ってんだよ!嬉しいくせに!」 からかうように笑ってきた大輝をにらんだけど、効果はなかった。 それもしょうがないか……どうせ大輝は俺の気持ちを知ってるんだろうしな。