「じゃーん!翼の席はここ!」 “36番”という紙を自慢気に掲げて見せた大輝。 ……あれ?この番号見たことあるんだけど。 「……俺の席、変わらない?」 「そ!楽でいいだろ?」 「……まあ、そうだな」 縦に6人の横6列、合計36人いるこのクラス。 廊下側の1番前の席から“1番”と番号が決められている。 つまり、窓側で1番後ろである俺の席は“36番”っつーことだ。 「喜べ翼!30番は市原さんだぞ」 「……は?」 30番と言えば、俺の隣。 今は高畑が座っている席だ。