「俺が恋した結花じゃないと俺は嫌だよ。薄々気づいているんでしょ?結花にとって俺は好きな人じゃない。憧れの人なんだって」 「.......っ」 颯人先輩は全部知っていた。 私の気持ちも全部。 「はい。だけど、颯人先輩のことも大好きでした。大和くんに会わなかったら私は颯人先輩が大好きだったんです」 颯人先輩のことが好きだった。 一目惚れだった。 大和くんに会わずにいたら、憧れと恋の区別がつかずに必ず颯人先輩に恋してた。 「知ってるよ」 優しく微笑んで、私の頭を優しくなでる颯人先輩。