「それに…」 カタンッ…ー。 彼が席を離れ、わたしの目の前に立つ。 そして、 「こいつと付き合ってるのは俺だから」 「え…」 ぐいっ、と手を引かれ、わたしは彼にキスされた。 彼からの、初めてのキス。 突然の出来事に、わたしの頭の中は真っ白。 強く抱きしめられた体はふわふわして、身動きがとれない。 黄色い声が飛び交う。 廊下の向こうで智充君、それから麗美先輩の姿が、彼の肩越しに見えた。