待ってよ……。
「亜……琥亜……亜琥亜……。」
心結ちゃん……。
「亜琥亜ってば!」
「ひゃあ!!」
誰かが私の耳元で叫んだ。
それに驚き、私は顔を上げる。
いったい誰が叫んだんだ、
といっても、今目の前にいる人しか
あり得ないんだけどね。
「なにするのよぉ、氷華(ひょうか)。」
私は、口をとがらせて、
耳元で叫んだことを非難する。
ちなみに、この子は
寒依(かんい)氷華
属性は氷。
ついでに言うと、私の一番の友達でもある。
整った綺麗な顔に
腰まである栗色のウェーブした髪、
ぱっちりした黄色の瞳は、
この子が美人であることを物語っている。
「はぁ……感謝されることはあっても
責められることをした覚えは無いけど?」
「たった今、耳元で叫んでおいて
その台詞をよく言えるね……。」
私は少し呆れながら、そう言った。
「いや、だって本当に悪いこと
してないし……。
亜琥亜が、授業中ずっと寝てたからでしょ?
私はそれをただ、起こしただけ
もう、放課後だよ?」
辺りを見渡すと、私と氷華以外、
誰もいなかった。
「…………え?」
私……寝てた!?
うわ~、全然気付いてなかった。
「ごめん。起こしてくれたのに。」
私は申し訳なくなりながら、
氷華にあやまる。
「もう、いいよ。全然気にしてないから!」
氷華は、そういって笑う。
あぁ、なんだか落ち着くなー。
「ところでさ……」
「???」
氷華、どうかしたのかな?
