世界で一番、ずるい恋。




逃げてばかりじゃ、ダメだよね。

決心したくせに、これくらいのことで落ち込んだりしたらダメだよね。



先生を好きになったのは、私。

それを貫くって決めたのは、私。



なら、進まなきゃ。

踏み出さなきゃ、変わらなきゃ。




「行ってくるね、千堂くん!」

「ああ。例え泣いても、俺が慰めてやる」

「泣かないよっ!」





弱くて、ダメな自分とはもうサヨナラだ。


よしっ、と意気込んで私は床に落ちた鞄を拾って図書室を飛び出した。




ーー待ってて、先生。

今度はこの想いを否定させたりなんかしない。


先生のことだって言えないけど、この気持ちは本物なんだって伝えたい。

先生には分かっててほしい。


まさか自分のことだなんて思わない先生にとっては、どうでも良いことだと思う。

それでも私は、貴方がそれだけを分かっててくれてたら、今は十分だから。