にこやかな先生とは対照的で千堂くんが不機嫌なのは一目瞭然。


先生と目は合わせないし、声が低い。

千堂くん、先生のことはあんまり得意じゃないのかな？




「そーいや、阿波がお願いがあるんだって」




だって今もほら、先生に向かって冷たく言い放つでしょ。


………って。





「……なななななっ！」





突然何を言ってくれてるの！？



いやいや、お願いが勉強教えてほしいっていうあれだってことは分かる。

分かるんだけどね、うん。



だけど私にもタイミングってものがある。

それにまず、心の準備が必要なんだよ！




「ん、阿波お願いってどうしたんだ？」




何も知らないから、先生は笑顔のまま私に問いかけてくる。

少し首を傾げたその仕草が、たまらなく可愛くて、ドキッとした。



……ねえ、今から言うことに対して先生は、面倒だなとか、迷惑だなとか、思いませんか？