「私は貴方を本気で苦しめたかった。私のものにならないのが苦しかった」
「……うん」
「先生のことが入学した時からずっと大好きだった。だけど私は……」
何を考えてるか分からない無愛想な態度。
だけど本当は感情を表に出すのが下手で、不器用なだけだった。
「気付けば律のことを好きになってた……っ」
誰よりも優しくて真っ直ぐな愛をくれる律に、気づいた時には惹かれていた。
「先生、本当はね……ずっと謝りたかった。たくさん傷付けて、困らせて、苦しませて、ごめんなさい」
やっと言えた、嘘のないごめんなさいの一言。
「……こんな私のそばにいてくれて、想ってくれて、大切にしてくれて、ありがとう」
「……こちらこそ、ありがとう」
私は精一杯笑った。
そしたら先生も笑顔を返して、私を抱きしめた。
「……じゃあな、茜」

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.797/img/book/genre1.png)