「きっとあの時既に茜の心に俺はいなかった」
「……っ、」
「だけど弱り切ってた俺は、それでも良かった」
……全部、全部、バレてたんだ。
浩也は全てを知った上で私のそばにいてくれてた。
私のことを好きになってくれた、そういうことなの?
「大丈夫だよ、茜。……捨てられる覚悟は、とっくに出来てるから」
そんなこと出来るわけがないって思ってたはずなのに、私の心は確かに揺れていた。
嘘ばかりだった私の恋。
浩也が真実を話してくれたのに、私だけまた嘘をついて逃げるわけにはいかない。
「……浩也。ううん、先生?」
「ん?」
「先生、本当はね……」
謝ったあの日の、仕切り直しをさせて。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.795/img/book/genre1.png)