それを信じたからこそ、私のそばにいてくれたんでしょ、違うの?
「千堂が教えてくれたんだ。嘘も真実も、両方」
「どういうこと…?」
「そして本当のことを話した上で、茜はそこまで俺のことを想ってるんだ。だからこの嘘通りに演じてくれって頼まれた」
そこまで言われて気が付いた。
あの時の私には余裕がなくて気付けなかっただけなんだって。
『分かったから、ちゃんと全部聞いたから』
確かに浩也はそう言った。
……あれは、そういう意味だったんだ。
「もう良いんだよ、茜」
「……え?」
「自分の感情を押し殺してまで、俺のそばにいる必要なんて無いんだよ」
浩也が振り返る。
下手くそな笑顔を作って、私に笑いかけた。
……だけど、私はどうしたらいいか分からない。
「俺にごめんって言いに来た日、茜目が真っ赤だった」
律と別れて、泣いてたからだ。
やっぱり隠せてなかったんだ……。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.795/img/book/genre1.png)