二人で木の前に立つ。
「この木に二人で手で触れながらお願いすると、その願いが叶うんだって」
「それって、同じ願いじゃないとダメなの?」
「ううん、違っても良いよ。それに願いは恋愛以外でも良いみたい」
へぇーと思いながら木を眺める。
以外と近くにこんなのがあったなんて、知らなかった。
ここに来たってことはお願いするんだよね?
浩也は何か叶えたい願いがあるってことだのね?
何をお願いするんだろう……。
そして私は何をお願いしよっかな。
浩也と違っても良いなら…私は何をお願いしても許される?
「茜、願い事決まった?」
「……うん、決まったよ」
私が願うのは、いつだって一つだけ。
そっと木に触れて、目を閉じる。
ーー律が、幸せでありますように。
たった、これだけなんだ。
私は浩也がいてくれるから、浩也が幸せにしてくれるから、そんなの願う必要が無いの。

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.794/img/book/genre1.png)