世界で一番、ずるい恋。




二人で木の前に立つ。




「この木に二人で手で触れながらお願いすると、その願いが叶うんだって」

「それって、同じ願いじゃないとダメなの?」

「ううん、違っても良いよ。それに願いは恋愛以外でも良いみたい」



へぇーと思いながら木を眺める。

以外と近くにこんなのがあったなんて、知らなかった。


ここに来たってことはお願いするんだよね?


浩也は何か叶えたい願いがあるってことだのね?

何をお願いするんだろう……。


そして私は何をお願いしよっかな。

浩也と違っても良いなら…私は何をお願いしても許される?





「茜、願い事決まった?」

「……うん、決まったよ」






私が願うのは、いつだって一つだけ。

そっと木に触れて、目を閉じる。


ーー律が、幸せでありますように。



たった、これだけなんだ。

私は浩也がいてくれるから、浩也が幸せにしてくれるから、そんなの願う必要が無いの。