これじゃ気付いてしまう。
無理してるって、私はまだ律を苦しめてるって嫌でも分かってしまう。
何で私よりもずっと泣きそうな顔をするの?
どうして、そこまでして私に笑いかけるの?
「……っ、」
「茜」
やめて。
そんな優しい声で呼ばないで。
「……三年間、ずっと好きでした」
そう言う律は涙目だけど、ちゃんと笑った。
泣かないって、律の前では笑ってるって、そう決めたのに、泣かそうとしないでよ。
……私の三年間は、貴方の愛に守られたものでした。
「幸せなことばかりじゃなかったけど、俺は茜を好きになれて良かった」
「り、つ……」
日差しが強くて、もう歪んだ視界では律の顔がよく見えない。
ただ聞こえる声があまりに優しくて、苦しい。
でも、こんなに胸が苦しい理由は、それだけじゃない。
「ありがとう、茜。……さようなら」

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.790/img/book/genre1.png)