世界で一番、ずるい恋。





ただ恋那ちゃんが私と律が話すことを良いように思わないだろうな……。

近付きながらも、そう不安に思っていると、恋那ちゃんは男子生徒に連れられて、どこかへ行ってしまった。



……告白かな?

女子からの人気は絶望的でも、やっぱり男子からは最後まで彼女の人気は絶大的だった。



チャンスは、今しかない。




「……律っ!」




名前を呼べば、彼は少し驚いたように振り返った。

こうやって、ちゃんと目を合わせるのはいつ振りだろう?


少し困ったように、律の瞳が揺れる。




「わたし……っ、わぁ!」




その時、男子生徒が後ろからぶつかってきて、体がよろめいた。

……だけど、律がすぐに私を受け止めてくれて、転けずに済んだ。



体に回された腕。

至近距離にある顔。


あまりに久しぶりに律を近くに感じて、私はその態勢のまま動けなかった。





「……矢野と、上手くいってるみたいだな」