世界で一番、ずるい恋。






「でも、私の好きな人は、きっと何をしても微動だにしないと思ったから、大切な人を傷付ければ、ダメージを与えられると思ったの」




恋那ちゃんの動く気配がした。

慌てて視線を向けると、なぜか急に腕を強く惹かれた。




「れ、んな…ちゃん…?」




どうしてか私は抱きしめられていた。

意味の分からない彼女の行動は、私に恐怖しか与えない。





「でも直接、茜ちゃんに攻撃したらバレちゃうから、あなたの大切な人に、まず傷付いてもらったの」

「ーー…っ!」




耳元で囁かれた言葉に、心臓を鷲掴みにされたような感覚に陥った。



……それが、先生だってこと?

だから、恋那ちゃんは先生に近付いたの?





「そんな…!でも、これじゃ結局傷付いたのはーー」

「大丈夫よ」







先生だけじゃない、そう言おうとしたら遮られた。

でも、だって……一番傷を負ったのは、先生。

確かに私だってショックを受けて暴走した。


だけど、他に傷付いた男の人なんて……。