世界で一番、ずるい恋。




恋那ちゃんみたいな可愛い子にアピールされて見向きもしないって、すごい人だな……。

お世辞とかじゃなくて、素直にそう思った。





「最初はゲーム感覚だったけど、途中から本気で好きになってた。好きになって欲しい、って初めて思った。でも、そしたら…分からなくなった」




白く細い手が、ぎゅっとスカートを握りしめた。


微かに彼女の手を震えさせているのは、悲しみなのか、それともまた別の何かなのか。




「人を好きになったことなんて無かったから、どうしたら良いのか分からなかった。ただ、見つめることしか出来なくなった。…でも、そしたら分かったの」

「何が、分かったの…?」

「彼が誰のものにもならないのは、好きな人がいるからなんだって」




……なんて返せば良いんだろう。


初めて好きになった人には好きな人がいた。

初恋は叶わない、なんてよく言うけど、本人にとってはそんなん簡単な言葉じゃ片付けられない。


彼女を傷付けない言葉を必死に探す。






「それが、茜ちゃん。あなたなの」