「おい、聞いてんのかよ阿波」
「え、あ、秘密…?」
絶対に怒ってるって思ってたから、こんな状況、予想もしてなくて私は戸惑いまくりであたふたする。
千堂くんの言葉の意味もよく分からず首を傾げながら聞き返す。
「だから、俺に……っ!」
そんな私にイラっとしたのか、痺れを切らしたのか、勢いよく叫んだ。
でも途中でハッとしたように言葉を飲み込んだ。
何を思っての行動なのかはよく分からないけど、それによって更に千堂くんの頬は赤く染まる。
もうゆでダコ状態だ。
今日の千堂くんは、怒ったり赤くなったりコロコロ表情が変わったりして、いつもと別人みたい。
こんな顔するなんて、知らなかった。
いや、私が知ろうとしてなかっただけなんだろうな。
何だか見てて微笑ましい。
「だから、その、俺に……す、好きな……」
「あぁ、秘密って千堂くんに好きな人がいるってことか!」