世界で一番、ずるい恋。





ああ、どうしよう。

これから先生が見にくくなっちゃったじゃん。


でも見なくなったら、それはそれで何こいつ急に恥ずかしがって変な意地張ってんだって思われるかも。

もう既に千堂くんの中では変な奴確実なのに……。



でも、バレてることを知った上でも先生を見続ける勇気なんて、私には無い。



千堂くん、他人に興味なさそうだからバレないかもって油断してた。




でも、そっか。

千堂くんもここからある人を見てるから図書委員になったのか。





「……あれ?」

「あ?」

「てことは、千堂くんにも好きな人がいるの?」

「……あぁ?」




もとから低い千堂くんの声が更に低さを増した。


その怖さに一瞬、この話をやめようかと思ったけど一匹狼くんの色恋沙汰なんて、とても気になる。

聞かずに諦めるなんて、出来るわけがない。




「だって、ここから見てるんでしょ?」