「どういうことだよ、それ」
勢いよく麻野を引き剥がして両肩を掴む。
有り得ないって、どういうことだよ。
だいたい何でそんなこと言い切れんだよ。
だって、俺も阿波も見たんだぜ?
さっき矢野だって認めてたじゃねぇか、付き合ってるって。
それなのに好きじゃないって、どういうことだよ…っ。
「本人がそう言ってたわけじゃないけど…絶対に、違うの…。あんなの見てたら分かるよ」
「じゃあ、何で矢野と付き合ってんだよ?あの女は誰が好きだってーー」
「千堂くんだよ」
聞き間違いかと思った。
いや、そうであって欲しいと本気で思った。
「……は?」
「美倉 恋那が好きなのは、千堂くんだよ」
あり得ねぇ。そう言いたいのに、そんなはずないのに。
麻野があまりにも真っ直ぐ、そう言ってみせるから分からなくなる。
……だって普通に考えて、わけ分かんねぇだろ?

![[短編]初恋を終わらせる日。](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.794/img/book/genre1.png)