夜、そろそろ寝ようと布団に入ると、ケータイが光った。

画面を見ると、戸上からのメール。

急いで開くと、内容はあまりいいものではなかった。

『龍守神社の例の神主さん、いなかった。つい最近、失踪したんだって。龍について知ってる人は誰もいなくて、何の情報もなかった。』

文面からも伝わる落胆。

『あと、夏休みが終わるまで、こっちで過ごそうと思う。来てもおらんから。』

残りの夏休みは家族でゆっくり過ごすのか。

いいことだと思う反面、もしかしたら戸上の家族はみんな諦めてるのではないかと感じた。

もし、愛が見つからなかったら、戸上にとっては最後の夏休みになる。家族はある程度、それを覚悟しているのではないだろうか。