九尾が封印されていた場所・・・


思い出してみれば、ここがすべての始まりだったのかもしれない。


「あそこに神具を探しに行ったのが、始まりだったんだよね・・・」


 一思いに耽っていると、何かが近づいてきている気配がした。


 菖蒲の体に力が入る。何の根拠もないのだけれど、今の自分なら、隙を作るくらいなら何とかなるような気がしていた。


 息を呑む----------


「そこにいるのは誰だっ!」


 その掛け声と同時に詠唱の構えを取る。だが、木々の間から姿を現したのは、意外な人物だった----