「兎に角急ごう。ここはもう狐達に囲まれてる。九尾が狙うとすれば、光巫女の血を受け継ぐ、君だ。
 危険な目にあわせるかも知れないけど・・・ 必ず円のところへ君を届けるよ」


「大丈夫です。自分の身は自分で守りますから」


 屋敷の外に出れば、禍々しい瘴気がすべてを包み込んでいた。


 これもすべて、九尾の封印がとけてしまったから。こんな瘴気の中、耐性のない人々はどうなってしまうんだろう。
考えただけでもぞっとしてしまう。


「今、阿紺は蓮華様につけてるから、転移結界を張ることが出来ない。出来るだけ気配を殺して・・・」


 静かに走っていた凪は、急に足を止める。


 菖蒲にもその理由がすぐに分かってしまった。