七瀬の言葉を遮るように、一瞬時が止まる。菖蒲は、強い瘴気を感じ取った。この正気の感じには覚えがあった。雹零山に封印されている九尾の狐と対峙した時に受けた瘴気と似ている。


けれど、九尾の封印は未だに解けていないはずだ。なぜ学校にそんな瘴気が現れるのだろうか?


これは危険だと心が叫ぶ。とにかく学校から離れないと、七瀬や他の生徒に被害が出てしまう。


「七瀬ちゃん!ここから逃げないと!聞こえる?七瀬ちゃん!」


瘴気にあてられたのか、返事がない。