少し癖の入った色素の薄い髪を振り乱しながら、いつもの通り修行に付き合ってくれる風。


何故だか今日はいつもと雰囲気が違う気がする。


ただの勘なのだが、ほんの少しだけ表情がいつもより硬いのだ。


「最近、物の怪の姿が一匹たりとも現れませんのよ?菖蒲様は可笑しいと思いませんか?」


「でもここには円の結界が張り巡らされてて、物の怪は入ってこられないようになってるんだよね?」