「・・・妖気を感じる。ここは東峰院の小僧が作りし結界に守られているはず・・・」

白い体躯の犬のような式神は、一つ遠吠えをする。周りには子犬から老犬が何十匹といたが、その式神が操りし一声で一斉に散る。

「巫女が危ういかもしれぬ・・・間に合えば良いが」

瞳を朱く染め、神速の如く走り出す。