こっちを向いて、恋をして。


「大丈夫だよ!あたしも今来たばっかだったし! ね、あさ……ひ」

自分の中の嫌な気持ちを、優衣に悟られてしまうのが怖くて。

あたしは同意を求めて、隣に立つ朝日に声をかけた。


でも、その行動をすぐに後悔した。
せめて顔を見なきゃ良かったと思った。


「あ、あぁ……」

こくんと頷いた朝日。

その目は、優衣の顔を見れていなくて。少し困ったような表情さえ浮かべていて。

ほんのり赤く色付いて見える……頬。


あたしが欲しかった反応が、そこにあった。

それはあたしにじゃなく、優衣に対して向けられていた。


分かってはいた……けど。
女のあたしから見ても、今日の優衣は確かに可愛いけど。

そんなあからさまに感情を顔に出されたら、さすがにショックで。


「なら良かった」

安堵した笑顔を浮かべる優衣に、あたしはただ軽く微笑み返すことしか出来ずにいる……と、

バタン!

車のドアを閉める音が響いた。