こっちを向いて、恋をして。


「え……」

すぐにまた、背中を向ける朝日。
あたしは目を、パチパチさせる。

馬子にも衣装……って、何だかちょっと馬鹿にされているような気もするけど、普段より良く見えるって、意味だよね?


それって……褒めてくれているの?

あたしのこの服装、褒めてくれたの?


「ねっ、ねぇ!」

顔が、胸の奥が、火がついたみたいに熱い。

この熱が衝動となって、あたしは思わず朝日が羽織っている紺色のシャツを掴んだ。

「あのっ……」

振り返る、朝日。

今の言葉の意味を、はっきりさせようとした……ときだった。


〜♪


突然鳴り響いたメロディ。

それは、あたしのカバンの中から。


「あ、ごめん……」

シャツからするりと手を離し、マナーにしていなかったことを後悔しながら、カバンからケータイを取り出した。

そして、スマホの画面に表示された名前を見て、ドキッとする。


測ったかのようなタイミングで、電話をかけてきたのは……優衣。