こっちを向いて、恋をして。



朝日はキョトン……とした顔で、あたしを見ていた。


え……。
これってもしかして……もしかして。

「かわいい……?」

望んだ、願った感想を、抱いてくれてるような気がして。
あたしはお姫様のドレスみたいに、スカートを両手で持ち、首を傾げた。


ドキン、ドキン……。

胸が高鳴る。

少しでも顔を赤くなんかしてくれたら、堪らなく嬉しくて。

一瞬の表情さえも見逃すまいと、ジッと彼の顔を見つめる。


すると朝日は、足元から順にあたしの全身をゆっくり見て。


「頑張りすぎじゃね?」


ドスン。

大きな石をあたしの上に落とすような発言を、見事にしてくれた。


「……」

あぁ、もう分かってましたよ。
こういうことになるだろうことは。

握り拳になった両手が、ふるふると震える。

「あ、あたしが」

頑張ったのは朝日のためだよ……って、知ってるだろうけど、言ってやろうと思った。

だけど、言えなくなったのは、


「でも、馬子にも衣装だな」


そう朝日が続けて言ったから。