こっちを向いて、恋をして。


「うわさ……?」

「朝日のことを好き好き言いながら、いっつもケンカしてる女の子」

「そんな言い方してたら、そりゃケンカになるよな」と、笑って続けられて、あたしはキュッと下唇を噛んだ。


どうせ可愛げなんてないですよ。

あたしだって本当は、朝日とケンカなんかしたくない。


「そんなこと言いに来たんですか……」

小さく言うと、

「いきなり敬語?」

と、また笑われた。


この人の目的、分かんない。
あたしをからかいたいだけ?

眉間にシワを寄せ、思っていると、

「あーあ、ごめんって。そんな怖い顔しないでよ。俺、4組の中村圭太」

『よろしく』とばかりに、あたしの前に片手が差し出された。

「……」

信用ならないこの手を、握り返すことなんて出来ない。

「……どうも」

握手するどころか、目も合わせずに軽く挨拶する……と、

「練習」

目の前から降ってきた言葉に、慌ててあたしは彼を見た。すると、