こっちを向いて、恋をして。


笑うでもなく、話しかけるわけでもなく、あたしをまじまじと見つめる彼。

「っ……」

何なのよ。
何が言いたいのよ。

朝日のこともあってだと思う。
あたしの中の糸が、プツンと来れて、

「ちょっとあんた、こっち来て!」

唐突に彼の腕を掴んで、連れ出した。


そして、教室を出てすぐの廊下。


「言いたいことがあるなら、ハッキリ言えばいいじゃない!」

あたしは胸の中のイライラをぶつけるみたいに、彼に言葉を投げつけた。

八つ当たりとも言える、あたしの行動。
もちろん言い返されることを覚悟する……けど。


「……ぷっ」

彼の口から出たのは、笑い声。

プリンを片手に持ったまま、空いてる方の手を口に添え、小刻みに震えてる。

「なっ、何よ!」

馬鹿にされているようで、更に思わず声を荒げると、

「いや、ごめん。噂通りだったから、つい」

必死に笑いを堪えながら、そう言った。